このエリアの一等地に立つビルのオフィススペースには企業が名を連ねている。
メインオフィスは窓が占め、景色は、遠くまで高層ビルが連なる都会のビルの群集で、映画やドラマでみるような大都会のビジネス街そのものだった。
窓から見える景色は、灯りやネオンが美しい大都会の夜景へと変わっている。ヘルス&ビューティ関連商材のメーカーが持つ販社である。
スーパーチェーンで、これらの店は開店が営業時間が長い。昼間は人口が少なく、電話の音や話し声、FAX、PC、コピー機など音がすみずみにまで響き渡るほど静かな空間と化す。日が暮れて活気を取り戻してくるのが日常だった。リズミカルに書類の束に目を通していた時、その知的でやや広めの額を微妙に動かし、眉間にしわを寄せた。
「名村です。今よろしいですか。」
彰子は無表情に淡々と事務的に話を始める。
「昨日提出された経費清算書の件ですけど、これは何を購入されたんでしょうか。明細がないと清算できませんが。事務費といっても用途が広いんですよ。加村さん、何度目でしょうか。・・・はい、・・・はい・・・、清算画面の備考欄ありますよね、そこに内容を記入してください。わかります?・・・。」
彰子は受話器を肩にはさみながら、書類を目を通していく。
「・・・えっ?」
彰子がこめかみをピクっと動かして意志の強さがあらわれているような切れ長で形のいい目を見開いた。
知的で美しい顔に微笑みがなくなるとひどく凄みを増す。
「ちょっと、それじゃあ、費用項目違うじゃないですか!加村さん、何回目だと思ってるんですか。なんでも事務費で請求しないでください!それだったら、調査費でしょう?加村さん、もう一回費用項目のマニュアル見て正確に請求してください。今度やったら、支払いしませんよ!」
啖呵を切ると受話器を置かずに荒っぽく右手を伸ばして回線を切ると、すごいスピードで内線番号をまわす。
彰子の目が鋭く光って厳しく書類を睨んだかと思うと、声を荒げた。
posted by オフィちゅラブ ◇ at 17:01
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日記